竜の着ぐるみを作ろうっ の2 [着ぐるみ]
竜の着ぐるみ製作の2回目、そのデザインについていってみましょう。
着ぐるみを製作しようと思い立った理由の一つが自分のデザインしたキャラを現実に立体化してみたかった、ということ。
しかも1/1で、ということになるわけですよね。
1)デザインの方向性について。
基本的には誰が見てもそうだとわかる、いわゆるベタなデザインで考えていきました。
知名度なんて一般にはまったくないオリジナルキャラの場合、へんに奇をてらった方向性にもっていってしまっても、一目見てドラゴンだとわかってもらえなければ悲しいじゃないですか。
翼ない状態だとトカゲだとか言われそうだけどね。(笑)
それに原生種モチーフでデザインするのは自分の最も得意とするものであるわけですので。
本音で言えば自分の趣味丸出しでやってるだけなんだけど。(笑)
着ぐるみ1のエントリーでの決定仕様どおり、体は完全に人間型としてあるので竜人となるので…。
最初の基本イメージはこんな感じで考えていた。
いや、もう2001年からうちのホームページに置いてある凪さんですが…。
あ、ちなみに着ぐるみになるのは♂ですからね、自分自身の投影となるわけなんで。
ここから翼をはずしてグリーン&キャメルという体色にしたものをイメージとして念頭におくことにした。
ただこれは着ぐるみ化なんてまったく考えてなかったデザインなため現実に着ぐるみにするとかなり無理だらけなため、それを前提とした新規デザインを後で起こすことにした。
2)着ぐるみ化への問題点
前出のものが着ぐるみ化するにあたって難易度高いと思われる、よってデザイン変更の必要のあるところは…。
頭
頬のスパイクはなくす。(最初の時点では制作技法が見込みたたなかったため。)
髪はなくす、かわりにタテガミにする。(髪は制作難しいうえにメンテ大変。)
翼
大きすぎるうえに制作技法の見込みたたないためなくす。
尻尾
このままでは長すぎるため繰演にかなり問題がでるので短縮。
胴体、手、足
ここはそのままでいく、だから突っ立った状態だと完全に人間型。
ここまで決定したのが仕様決定と同時進行だったので2005年9月半ば。
ここから材料集めに奔走するわけだが次の展開までしばらく間があくことに…。
3)ヘッドデザインの流れ(第1次)
すいません、ここでかなり間があきました。
ヘッドデザインについては2006年1月末あたりから着手、ヘッドの第1次決定稿があがったのが2月上旬でした。
デザイン的にはかなりあっさりめ、技法が見込みたたないところはなくしまくったためなのだが、一見するとモニター系のトカゲを彷彿とさせる容姿となった。
なお、この時点で翼はつくことに変更となる。
素材面での見通しがたったからなのだが組み立て方法は未だに検討中。
翼は第2期制作とすることとして脱着可能なオプション扱いでいくことにした。
背部に大きく張り出すので常にあると繰演場所にかなり制限がかかる可能性高いのもあるので。
4)ヘッドデザインの流れ(第2次)
5月下旬から実際にヘッド造形に着手、その際に確認もあって新たに描き起こした。
実際に他の部分を製作することでかなり技法の見込みがたち1次から若干変更。
下顎にスパイクをつけたのとタテガミの両脇に背部デザインの流れからここにもスパイクがついた。
これでかなりアガマ系のトカゲっぽくなったのでいかにもトゲトゲのドラゴン的になってきた。
ここでヘッドデザインの考え方について記しておこう。
頭部の基本形はアガマ系トカゲなのだが上顎から上部はかなり犬が混ぜてあります。
これは目を正面向きにするという理由がかなり大きく、額からマズルへかけて爬虫類では通常ない大きな段差を持たせてある。
目が正面向きのトカゲ類は現生種にはなく、T-REXのような恐竜系が実在にあるくらいなのだがそれとは違う方向性を持つように心がけた。
なお段差が大きいので鼻孔だけワニのような突きだした形状になってます。
大きな段差によりより広範囲に立体視が可能になるのと、より人間くさい顔立ちになってくる。
目についても人間くさい白目をもつもの、でも瞳孔は円形だが虹彩は金色となっている。
これは自分の標準的なデザインであるのだが人間性と獣性の融合の象徴みたいなものだ。
それと一般の目に触れる可能性が高いのでむやみに怖い顔にしたくないということも。
このくらいの体躯だと黒目だけの目にしても実際目の前に現れるとかなり怖い顔に感じるんですよね。
小動物くらいのサイズならかわいいのだがこの大きさになると視線が読めない=表情が読めないというのは結構感覚的に怖い。
瞳がはっきりわかるのはたとえ白目が白以外でも視線が読めるので表情を感じさせる。
あと瞳が虹彩より瞳孔の割合が大きいと強面な顔でもかわいく見えたりするんですがね。(笑)
人間くさいといえば眉のラインをもっているのもそう、実際に毛は生えていないけど。
怖い顔にするんだったらこのラインを斜めに直線状に釣り上げて、いわゆるガンたれ状態にすればOKでありますんで。
下顎についてはT-REXばりのガツンとエラばったような張りだした形にしたいのだが、これは中の人の頭との干渉を考慮すると頭の付け根直前で首をテーパー状にしないと実現不可能か?
口角はもう少し、目より後ろまで口が裂けているとより爬虫類的に見えるのだが実際に造形しながら調整したほうがいいかな。
なお、下顎の後ろにはドラゴンによくあるヒレ状のもの(エリマキトカゲのエリマキみたいなあれ)はなし。ただ耳がそんな感じの形状になっているか。
耳と角はヤギのようなものを組み合わせ、角は工作の都合でこうなったが今だともっと複雑な形状でも作成可能な見込みに、でもやっぱシンプルなままで。
歯列は爬虫類のそれではありません。これも犬科動物のものを組み合わせています。
自分としてはドラゴンは爬虫類的外観を持つ哺乳類みたいなスタンスで考えてますので。
ちなみに口腔の造形も見込みたっているのでちゃんと作りますよ。
背部デザインについてはまだ伏せておきます。これは後でのお楽しみってことで。(笑)
>へんに奇をてらった方向性にもっていってしまっても、
>一目見てドラゴンだとわかってもらえなければ悲しいじゃないですか。
既成イメージが強固なモチーフをデザインするときには悩む壁ですねー。
ちょっとグサッとキマシタ(笑)…イヤハヤ。
トゲというかエッジのあるパーツを配していくと
だいぶトカゲっぽい感じからから竜っぽいイメージになっていきますね。
>自分としてはドラゴンは爬虫類的外観を持つ哺乳類みたいなスタンスで考えてますので。
ドキッ。
自分もまさに同じ事を無意識で考えていたような…いないような…
そもそもドラゴンって広義のキメラ(合成生物)だと思うのですけれど
たとえばほかの合成生物…ヌエやキマイラあたりと比べたときの
生物的融合感・違和感の少なさが魅力の一つかなと。
いろんな要素を足してもなんとなく納得できてしまう不思議なモチーフだなーっていう。
今回猪熊さんのデザインコンセプトを拝見して、実存生物との距離感の認識みたいなものが
凄く勉強になりました~。つーか、自分を顧みてあまりの適当ぶりに反省(笑)
あ、思わず長文ですみません。
by ラタ (2006-07-03 03:36)
「おばあちゃんが言っていた。本物を知る者は偽物には騙されない、ってな。」
実在しない生き物を創作する、という嘘をでっち上げるにあたって嘘を嘘で塗り固めてしまうと本当に嘘っぽい生き物になってしまうのは目に見えてます。
それが実在する生き物だったら尚更なわけなんだけれど…。
架空の生き物に実在感を付与する手段だと思ってもらえればOKです。
ドラゴンというのはそれをデザインした人がそうだと言えば、それはドラゴンになるという懐の広さをもつ生き物です。
ただそれは知名度の高い人とかそういった場でないとそう思ってもらえないのがほとんどなんだけれど。
やはり一般的にはいかにも怪獣的な方が一目でそう思ってもらえるわけですし。
それに怪獣怪人動物好きにはその方が楽しいですから。(笑)
この程度では長文とは認識しませんので思う存分コメントしてください。(笑)
by 猪熊きつね (2006-07-04 23:15)