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小さき勇者たち -GAMERA- の2 [怪獣]

(このエントリーはhttp://blog.so-net.ne.jp/vixenlog/2006-05-02の続きとなります。)

 最初に、観に行くか否かで迷っている人はぜひ観に行ってほしい。
とくに普段怪獣映画を観ない人にこそ観てもらいたい作品です。
早いところでは今週の金曜、大多数でも来週で終了が確定的です。
もう残された時間は少ないです、とにかく観てみて頂きたい。

今回自分ではたぶん最後になってしまうかもしれない”小さき勇者たち”を観てまいりました。
これでDVD発売までしばらくお別れかな。
前はお話にのめり込みすぎで映像とかフォローしきれなかったので今回はそちらをじっくりと観て
まいりました。(そうしたら見落としていた画が結構あることあること。)
映画本編に関して前エントリーで書きそびれたことや怪獣ネタを本エントリーではつらつらと。

本作、実は一般市民が体験する怪獣災害のリアルシミュレーション映画?

他のブログのコメントにてすでに少し触れたことなのですが…。
この作品の特色の一つに劇中における怪獣情報の少なさ、というのがあります。
たとえばジーダスの出所やその目的とか、赤い石についてとか。
これは本作が一部を除いて相沢親子の主観視点で描かれているということにあるからでしょう。
実際、怪獣が現れても市居の人達が得られる情報は新聞テレビラジオ、はたまたネットといった
メディアから得られるもの以外どうにもならない。
でも怪獣の出所とかなんて危機に直面した人達にはさしたる重要な事ではない。
それは「なんでかわからんがガメラは人間の味方してくれる」という台詞に象徴されている。
ジーダスに関しても、巨大生物審議委員会で死体のサンプルが入手できたらそれから解析といった
ところが実際でしょうね。
でも行動に関しては推測の域はでないでしょう、目的をジーダスに聞くわけにはいかんですから。(笑)
被災者の避難所生活を画にした怪獣映画ってのも本作が初めて、ですよねぇ。

ジーダス

本作のライバル怪獣であるジーダス、いかにもガメラ敵怪獣らしい凶悪さでトトをいじめまくります。
波切登場時の捕食シーンなんですけどあらためてみると、これでもかこれでもか、ってぐらいの状況描写
の積み重ねで、1回目で喰いきれなかった泣き崩れる人々を追い打ちかけるように貪っていくのは
かなりキツイ描写で平成ギャオスですら及ばなかった、食欲を自らに向けてくる者の恐怖、ですね。
スタッフの容赦ない意気込みが読んで取れるシーンでもあります。
しかし音声だけは克明に描写しており、咀嚼音だけが続き悲鳴と泣き声は消えてなくなっていって
いくのは直接見せられるより精神的には恐怖を煽られます。
怪獣が人を取って喰うってのは古今東西あったけれど、自分の記憶にあるなかでは恐怖感トップレベル。
しかしカツヤ、あれ将来トラウマにならないのかなぁ。
下手するとその場で精神崩壊しててもおかしくない状況だし。
ところで最初灯台を落として人々の退路絶ったけど意図してやったのか?ジーダス。
やっぱコイツかなり頭いいんじゃないの?
他にも劇中での行動見てると”知能は決して高くない”とは思えん。(笑)
(ここに限らず本作では状況描写の積み重ねで表現されるところが多く、このあたり田﨑監督は
非常にうまい監督だと思います。)

だが波切初戦時において一つ残念なところといえば、体格差によるトトの不利さがイマイチ
伝わりにくいところか。
ここも状況描写と合成でなんとか見せようとしているのだが、同一フレーム中に見えるカットがロング
とか対比掴みにくい位置関係とかで視覚的に訴えてくるものがちと弱い。
この時点では絶望的といえる体格差があるのだがそれでも挑むトト、がはっきり見えればよかったと
思うのだが。
それこそジーダスがトトの首根っこひっ掴んでぶん投げちゃうぐらいやってもよかったんじゃないのかな。
本作の怪獣の擬人化具合ならそれぐらいやっても大丈夫なはず、うん。(笑)
で、ジーダスの演技、志摩大橋でトトをふっ飛ばしてさらに追い打ちかけようとするのだが、
橋の中に入れずその時地団駄を踏むような仕草を見せるのがなんか笑える。(笑)
それで橋のアーチへどかどかと昇ってここでハープーン舌を初めて見せるわけなんだけど、
これは予告などでも出さずに完全に伏せて置いたほうがサプライズ度が高かったような気がします。

ジーダスは飛べないのに高いところへ登るのが好きらしいのでよく落ちるわけなんだが、
合成素材として中の人入って着ぐるみが本当に落下させられてるというのが…。
いや、いくらマットあってワイヤー吊りされてるとはいえ着ぐるみ着て10mぐらい脳天落下なんて
想像つきません。
自分じゃ着ぐるみ着てそんなことやれとか言われても絶対無理っ、ってか着て無くても無理。(笑)
とにかくジーダスはそのアクションを見てるのが楽しく、でんぐり返り尻尾投げとか屋上間大ジャンプ
とか合成とはいえ着ぐるみがワイヤーアクションでなんでもこなしてしまうのは凄すぎ。
さすが牙狼でも華麗なアクション見せてくれたAAC STUNTSのお仕事です。

ジーダスはアクションのため機動力を極限まで高めた仕様上怪獣なのに体が完全に人間型になって
しまった、いわば蜥蜴人間みたいな外観が特徴といえばなのだが、それをリザードマンと呼ぶかトカゲロン
言うかで歳バレるよね。(笑)
っていうか、スタッフが口揃えて突っ立った姿をトカゲロンと呼ぶのも世代的なものがあるとはいえ、
妙に引っかかるもの感じたのは確かで…。
本編観た後こんな怪獣なのにキックを常用技に持つのはそういうことなんかと思ったわけなんですが、
ライダーネタ入れたのは田﨑監督だからなんでしょうか。(笑)
まんま人型体型というのではGFWのモンスターXもいたけれど、あれはどうにも怪獣というイメージから
離れてしまっていましたがジーダスは演技の仕方でちゃんと怪獣に見えますね。

噛みついたままハープーン舌ゼロ射出とか最後まで凶悪っぷり見せてくれますが、舌ぶっ千切られて
出血する血の色は紫色というのは完全にガメラ敵怪獣のお約束であります。
トドメのトトの火球は完全にG1のリスペクト、ギャオス由来のジーダスにはこれがもっとも正しいのかも
しれない。
最後の爆発も本当に着ぐるみ吹っ飛ばしてしまった甲斐あってCGIでは得られないカタルシスである。
しかし敵怪獣着ぐるみとしては使命を全うしたともいえる最期とはいえ、本作の怪獣バトルの真の立役者
が既に存在しないのは寂しさを感じるものでもありますね。

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今回のガメラのすべての〆、
透の最後の台詞。
「さよなら、ガメラ。」
トトではなくガメラ、やはりそれが本作のすべてを物語っています。


タグ:映画 ガメラ
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